才能教育研究会ピアノ科




コラム : 楽譜が読めます(2) 「正しい読譜」
投稿者: river 投稿日時: 2005-11-29 2:02:27 (1044 ヒット)


 幼い子供達が読譜の勉強を始める時、松本支部ではメトードローズの本を使っています。理由は楽しい曲が多いからです。前号で言いましたように始めは親が読むのですから普通の本を使って下さい。そしてもし子供が7〜8才で自分で見る場合でも、市販されている幼児用等という譜面を拡大したような本は使う必要がありません。大人より子供の目の方がずっと良いのです。(あれは老眼用です)

 最初は、読譜という本がある。ピアノの譜面台に本を置く。私は今何番をやっている。これだけが分かっていれば充分です。親は少しずつメロディーをドレミファで読んで歌ってあげれば、もう2巻を弾いている子供達ですから、8小節ほどの片手のメロディーは、すぐに覚えて弾くことができます。毎日繰り返し練習して、すらすら弾く事がとても大切です。次の日忘れてしまっていたら又、読んであげればいいのです。

 メトードローズは1巻と同じ程度の曲ばかりですから、覚えて弾いているうちに本と仲良くなってきます。一冊終わるまで何ヶ月かかっても少しも心配する事はありません。但し少しずつでもいいから毎日やるよう努力をして下さい。人は、毎日の積み重ねで能力を作れるように出来ています。


 二冊目の本はツェルニーの「初歩者のためのレクリエーション」です。これもお母さんの読んであげる童話で、実際に子供が100%読んで弾くわけではありません。前の本と同じように右手から読んでもらったものを覚え、次に左、そして両手合わせます。この本もとても楽しい曲ばかり並んでいます。

 そして二冊目からは曲の題名、拍子、アレグロ、アンダンテなどの曲の表示を、子供達が分かって読めるよう本に書いてあげて下さい。“正しい読譜”とは譜面に書かれているすべてのものを読み取れる事ですからその練習を始めます。

 楽譜を読むということは、符の玉の場所がピアノの鍵盤のどこであるか分かって音が出せる事と思っている人が大部分ですが、それはほんの一部分の事で楽譜というものはその音楽に必要なすべての事がたくさん書かれていて、そのすべての事が読み取れる人が“正しい読譜”のできる人なのです。

 正しく読める人を作るには、やはり幼い時から正しく教えてもらわないと本当に体で読める人が作れません。音楽に携わっている人達のほとんどが知識では楽譜を理解できるのですが、幼い時から正しい読譜を習っていないので、楽譜を見てもそれを正しく音楽に再現する事ができません。

 前にも言ったとおり、ピアノは多声部を弾かなければならない楽器です。正しい読譜は、他の楽器に比べて非常に大切です。幼い時からぜひ正しい読譜を習って下さい。  次号にまだ続く・・ 【K】(1992.11.22.掲載)

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