才能教育研究会ピアノ科




コラム : 出来るだけ無駄使いをしないで!
投稿者: river 投稿日時: 2005-7-25 2:04:17 (936 ヒット)


新聞やテレビで報道される自然破壊のニュースを見るたびに、自分の毎日の生活方法を反省し心が痛むこの頃です。

それで私は考え込んでしまう事が多くなりました。割り箸を使う時も「えっ! これ、マレーシアの熱帯雨林の木?」ティッシュペーパーを使う時も、新聞の折り込み広告をくず入れに捨てる時も、これどこの木の無駄使い!? ビニールの袋・プラスチックの使い捨て容器も、毎日々々世界中の方々の工場で沢山製造されているに違いない。どうする気なのだろう? 今に地球上全体がプラスチックのごみの山で埋まる日が来るに違いない!

私達はまだ良いとしても、これから次の世代を生きる子供達はどうなるだろう。自動車だって電気製品だって次々に生産して、古いのはおまじないを使って「パッ」と消えるようにでもしない限り、どうにもならなくなるのは分かり切った事なのに! 作る人は、その製品を使い切った後の処分の方法を考えてから作るべきだったと思います。

機械だけではありません。着る物でも、食べる物でも無駄使いが多すぎます。私だって生活が便利になる事を願って、冷蔵庫、洗濯機、自動車等々、次々に使い喜んでいる迂闊な一人です。

さあ、どうしたらいいのでしょう。「全部作るのを止めてしまったら?」と言うのは簡単な答えですけれど、そんな訳にはいかないでしょう。経済はうまくいかなくなり、仕事がなくなると、どこの国も失業者でいっぱいになってしまいます。

『仕事を一度、広げ過ぎると質が低下しそれを止める事が難しくなる』と言うのは、誰にでも分かっている事なのに、人間は同じ事を繰り返してしまうのですね。私も今の時代に生きている限り、一人で逆らって石器時代のような生活をする訳にもいかず、考えに考えてみると、私達に出来る事は周囲の子供達に少しずつ『節約』する事を一生懸命教える事ではないでしょうか。

私が幼かった頃、食事の時にご飯つぶひとつでも粗末にすると叱られました。「お米つぶ一つ一つに、作ってくれた農家の人々の流した汗と心がこもっているのです。粗末にしてはいけません」と大人達は言いました。水道の栓もしっかりしめないとすぐ注意されました。一滴の水でも大切なのです。部屋の電灯の消し忘れも許してもらえませんでした。必ず小言でした。

今、私達はどうして節約しなければいけないかよく理由を話し、子供達に物を大切にする事を教えなければいけません。地球を住みにくくしないよう、ほんの小さい事だけれど、資源は一人だけのものではない、地球上全体の人類のものだという事を教え、無駄使いしないで自分の使う分に感謝の気持ちを持つよう、努力しなければいけないと思います。

 これはピアノの奏法にも通じます。良い奏法とは、動きに無駄のない事です。初歩の時には、音符の数が少ないのでつい無駄な体の動きをしてしまい、その無駄が悪い癖になって上級生になった時、直す事が出来ないのです。

余裕と無駄使いはまったく違います。無駄使いは何もよい結果を生みません。一巻を勉強する時から、子供達の身体に無駄使いの癖をつけないよう、教育する人すなわち先生と親が気を付けてあげなければいけません。2〜3才から10年間根気よく注意してあげることで、無駄のない自然の奏法を身につける事が出来ます。生活の中の無駄使いもこれと同じ時期に教える事が大切でしょう。【K】(1992.7.17.掲載)

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