才能教育研究会ピアノ科




投稿者: river 投稿日時: 2004-8-27 3:11:43 (1146 ヒット)


 ずっと昔のことです。私は夢を持っていました。もしも自分が母親になったら子供達にピアノやヴァイオリンを習わせよう。上手になった子供達の演奏を聴けたらどんなに幸せだろうか、山登りもスキーも教えよう、一緒に休日を楽しめたら素敵。学校の勉強だっていやにならずにしっかり勉強してゆく子供に育てよう等々いっぱいありました。

 ところが実際に子供を持ってみると、現実は厳しく夢とはなかなか一緒になりませんでした。私の仕事が忙しすぎたためずい分努力したのですが、どれ一つとっても、彼等のために充分時間を作って教えてやる事が出来ませんでした。
 その厳しい現実の中で私は考えました。人間が人間の社会の中で生きてゆくとき、何が大切な事だろうか?
 まず礼儀が守れることだと思いました。挨拶がきちんと出来ることです。「おはようございます」「おやすみなさい」「こんにちは」「さようなら」等々。親切にしていただいた時、何か物を戴いた時の「ありがとうございます」悪い事をした時すぐに「ごめんなさい」「すみません」と言える事です。礼儀は人間社会にとってとても大切なものです。性格の違った人々が集まって暮らしているのです。心なく銘々が好き勝手な事を言っていては世の中うまくいかないでしょう。礼儀がある事によって、人は相手を認め、尊重する事ができます。礼儀は人と人とのクッションになって世の中がうまく動くようになっているのです。

 もう一つ、いつも私の口癖だったのが「自分さえよければいいと思っている人は人間のくずよ」「何か戴いた時はまわりの人に分けなさい」「学校の勉強が出来ても偉いことはないの。出来なくても、心のやさしい思いやりのある人になってちょうだい」でした。

コラムの続きを読む... | 残り3202バイト

投稿者: river 投稿日時: 2004-7-18 2:04:53 (1207 ヒット)


 私が小学校の頃(昭和8、9年)から夏休みになると学校の『夏休み宿題帳』がありました。いったい誰が、あんな面白くないものを考え出したのでしょう。あれを、真面目に一枚ずつやってもそんなにお利口になるとはとても考えられません。それよりか宮澤賢治の童話とか、マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』とか、何でもいいのです良い本を2〜3冊読む。今だったら芸術のセンスの高いビデオ映画を見るなど、その方がずっと勉強になると思うのですが‥‥。

 私の学校は小学校から中学へと続いていましたので何かのんびりした感じでした。そして夏休みはちょうど2ヶ月ありました。今、私の住んでいる長野県の松本市は、何とたったの20日間だけが夏休みです。ひどいちがいですね。
 多分、小学校5年生の頃でした。夏休みは私が病弱のため軽井沢で過ごすことになっていました。毎日外に出て走り回り、健康的に過ごす事が私にとっての課題だったので、その夏、私は自分の判断で思い切って勉強道具を東京に残し、軽井沢の家には持って行きませんでした。楽しく過ごしたかったのです。それでも、それについて多少悪い事をしているような後ろめたい気がしていました。ところがある日、いつも私の家に遊びに来られる二〜三軒上の家の旧制高校生のMさん(後に文部大臣になられた)が「宿題も勉強道具も、東京へ置いて来てしまった」と話すと「えらい!」と言って下さったのです。私は「なぜ?」と聞くだけのアクティブな子ではなかったので内心ビックリしながら又、片方で私の考え方はやっぱり正しいのかな? と思った事を覚えています。それで、いつもああいうもの(夏休み宿題帳)はお休みが始まった日にまとめて全部やってしまいました。それが一番いい方法だと私は考えたからです。

コラムの続きを読む... | 残り3287バイト

投稿者: river 投稿日時: 2004-6-4 14:46:29 (1460 ヒット)


 アメリカでは州によって、法律が違うので多少の差はあるようですが、子供達の通う小学校が彼等にとって良くないと両親が判断した時、家庭内で親が教育しても良いと法律で決められているのだそうです。今回だけでなく、前にも何となくこういう話は聞いた記憶がありました。その時には、あまりどういう事か分からず『変わった親もあるものだ』『子供は、学校に行きたいのではないかな』等々、ちょっと疑問を持っただけでした。
 オレゴン州(カリフォルニア州の上)のポートランドという所のピアノの先生(シンシア)とゆっくり話す機会がありました。彼女もその一人で、7才の娘を家庭で教え、学校には行かせてないと話してくれました。そして、オレゴン州はアメリカの50何州かの中でも、ホームスクーリングが最も盛んな州のひとつだとのこと。定期的に集会があり、ホームスクーリングをしている親が集まって、話し合ったり、又講師から指導を受けられるシステムもあるのだそうです。
 日本のように、子供が登校拒否をして親と先生が一生懸命学校に行かせようとするのとまったく反対のことです。「どうして学校へ行かせないのか?」という私の質問に対し、「学校は信用出来ない所だ。先生も信じられない。悪い友達、ドラッグ等々良くないことばかりが学校にはある。だから、自分の大切な子供を学校には入れたくない」と答えました。
 日本では考えられない事ですが、どこの国でも、こんなにも親は自分の子供達の将来のことを考えているのだ! と感心してしまいました。

コラムの続きを読む... | 残り2815バイト

« 1 ... 14 15 16 (17)

Copyright © 2004 才能教育研究会 松本支部ピアノ科 : WISS inc.