辞書をひいてみると、知識は『あるものごとについて知っていることがら』人格は『1:人柄・品性 2:心 3:倫 4:法』とあります。
人間にとって知識はとても大切なものです。そして便利なものです。地球上に住む生き物の中で人間だけが素晴らしい知識を持つ能力を与えられています。石器時代から人類はその時代々々に生き、努力して得た知識を次の若い世代に伝え、若い人達は受け取ったものの上にもっと高い知識を積み重ね、何千年もかかって今日の文明を築き上げてきました。
しかし、昔の人達はその反面の人格教育も祖父母から親に子に孫にと大切に受け継がれてきたように思います。
ところが、日本では50年前の戦後から世の中が知識ばかりを大事にするようになり、それがどんどんエスカレートしてどこの家庭でも母親が目の色をかえて学校の成績ばかり重視するようになってしまいました。
前にも言った通り、知識はとても便利で大切なものです。でもそれは例えると、人間にとって大切な物の10のうちの一つであってすべてではありません。
人間には人間としての立派な人格が育てられなければいけないのです。それは世の中を一生いきていく上でとても大切です。社会の中、家庭の中で物事が円滑に運ばれるための礼儀→ルール→思いやりの心 等々です。
知識だけでは大人になってどの分野で仕事をするにも、良い仕事が出来るという保証はありません。その証拠に、近頃テレビ・新聞のニュースをにぎわせている住専と大蔵省、HIV訴訟と厚生省、医師と薬品会社の経営者の方々は、普通の人間の常識としては考えられない事をやっておられます。 この方達、みな最高学府を出られた高学歴の人々です。 即ち、知識は最高に豊富な人達ですが人間としての人格はゼロです。知識と人格は何の関係もないとよく言われますが、その通りですね。
私達は生まれた子ども達を立派な人格を持った人間に育てるため知識偏重でなく、人間としての基本的なマナー・モラル・ルールを守れること、愛情深い心と芸術を理解出来るセンスを育てなければいけないのです。