才能教育研究会ピアノ科




投稿者: river 投稿日時: 2011-12-22 1:05:55 (852 ヒット)



何かする前に考えてみて下さい。
ピアノを弾く時だけではありません。人間は何かをする時、例えば学校の勉強だってスポーツだって頑張れば頑張るほど、自分で自分の体に力を入れてしまいます。

その結果は悪戦苦闘なので疲れ果てるだけです。それでもまだ考え違いに気が付かず、気の強い人は私は頑張ったのだ! 努力したのだ! と自己満足をしていて自分が間違ったことをしている事に気が付きません。一方、気の弱い人は結果が良くないのは自分の勉強が足りないんだ、もっともっと練習しなくてはいけないと自分を責めます。

 自分で一方的に思い詰めるだけでなく落ち着いて考えてみましょう。
この地球上で体を使って何かやる時は、自分の体をこの果てしなく広がる大きな宇宙の地球の上で、自然にもっとも効率よく動かすにはどうしたら良いか? と考えるべきですが・・・それがどうしても自分の体よりやる事の方へばかり気持ちがいってしまい、一番大切な自分の体のことを忘れるのです。

 私達は宇宙の中の地球という星に住んでいるのです。学問的に面倒な事はよく分かりませんが、この星には重力があり引力があってそれに支配されています。その中で生まれた時の自然体で無駄な堅くなってしまう力を使わずに、体の一点(重心)でバランスをとり体中リラックスして楽に立つ事がまず大切です。

そして私達が立って歩くことは(勿論歩き方にも人それぞれ多少の癖はありますが)誰でも一応上手に堅くならずに歩いています。個人一人で頑張る力でなく自然の法則に逆らわずそれをうまく使って楽に動いているのです。

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投稿者: river 投稿日時: 2011-11-17 1:26:18 (618 ヒット)



今世紀初め、各分野で活躍した人々の芸術文化の水準の高さに驚きます。

 先月号に載せた読書室の『娘への絵手紙』の書評を書くために、いろいろな事を調べました。 幸田 露伴・斎藤 茂吉は良く知っていましたが、『寺田 寅彦』のことで少し不確かな事があったのでその辺にあった岡 潔(数学者)の本を見ると、その中に寺田 寅彦(物理学者・文学者)中谷 宇吉郎(雪の結晶の研究で有名)吉川 英治(小説家)の事が書かれていました。 皆さんそれぞれにお付き合いがあって、楽しくそれぞれの芸術を楽しんでおられます。

 今世紀の初め及び江戸時代は、多様性があり芸術文化は勿論、何の分野でも名人・達人がいたという話を近頃とても耳にしたり、また本で読んだりするのですが、この岡 潔氏の『春宵十話』を読んでも、江戸時代の文化を引き継いだ明治初期の人が素晴らしい多様性のあった事が、手に取るように分かります。 岩波書店社長・会長を務められた小林 勇氏の書かれた『娘への絵手紙』に娘さんの小松美沙子さんが書かれている文章を読んでも同じです。

 その時代の超一流の文化人が皆それぞれにつながりがあり、又そのつながりが本業よりもそれぞれの方々の持っておられた芸術の世界でつながっている事に驚きます。

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投稿者: river 投稿日時: 2011-10-18 3:47:27 (714 ヒット)

 1998年1月26日、鈴木先生は99才の天寿を全うして永遠の眠りにつかれました。

 私が鈴木先生にお目に掛かったのは40数年前の1955年でした。先生は60才になられる年でしたがとてもお元気でした。


戦後、松本の文化人が数人で先生を木曽福島から松本に迎え、才能教育を発足させて10年経っていました。熱心に先生の教えに賛同したヴァイオリンの先生方が大勢松本に集まって来ましたし、先生方・研究生のレッスン、又鈴木クラスの生徒のレッスンと、先生は毎日充実したお忙しい日々を送っておられました。鈴木先生のレッスンはすべて旭町の先生のお宅で行われていました。今、コンサートなどにも使われている才能教育会館はその頃から10年後に出来ました。

 スズキ・メソードの鈴木鎮一先生の『どの子も育つ、育て方一つ』『子どもはその子の優劣ではなく環境を整えてあげる事が一番大切』『音楽は沢山聴いてこそ母国語と同じに自由自在に演奏ができる』という考え方がアメリカにも伝わり、外国からの音楽家・教育家のお客様が数多く訪ねて来られるようになりました。そしてその度に先生のお宅で楽しいコンサートがありました。想えば、ついこの間の事のようです。

 最初の2〜3年、私はほとんど毎日先生のお宅へ通っていました。本当に幸せなことでした。どのレッスンも必ず見学させて戴いていました。そしてお茶の時間には楽しい昔話をして下さったり、食事に連れて行っていただいたり、先生のお宅の裏の空き地でバドミントン大会を開いたり、どこかで(?)卓球をやったり・・・等々。

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投稿者: river 投稿日時: 2011-9-18 2:36:44 (646 ヒット)



1月の中頃でした。 家に帰ってテレビをつけるとNHKで『尾崎 豊/魂の記録 〜僕が僕であるために〜』という、音楽ドキュメントをやっていました。

私は今日まで尾崎 豊については、詩を書いて歌う人で若い人達に絶大な人気があったのに、26才である日突然亡くなってしまったということぐらいしか知りませんでした。彼の歌うのを聴いたこともなければ、他の人から話を聞いたこともなく何も知りませんでした。

 本来、歌の番組は好きでないのでいつもならすぐチャンネルを変えてしまうのに、その時は引き込まれるように聴いてしまいました。そして驚きました。彼はただの歌手ではありません! 彼の詩と歌は彼の魂の叫びです。
 
年をとっている私から今の若い人を見ていると、恵まれすぎた環境の中で育っているせいか、ほとんどの若者は何も物を真剣に考えないで、ただ自分勝手な欲望に従って生きていると思っていました。自分さえ良ければ他人のことなどに心を配ることなどしない、又ただただ楽な道を選び苦労をすることなど大嫌い。挙げ句の果てに自分さえ得をするなら人に迷惑をかけても、人を押しのけてでも等々・・・心も魂もどこへ行ってしまったの? という若者が多いと嘆いていました。

 でもこのテレビで尾崎 豊の歌を聴き、ステージで歌うというよりみんなに語りかけ又叫んで精一杯愛情をかけて訴えている歌の内容を聴き、こんなに純粋で美しい魂を持った若者がいたことに感動しました。

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投稿者: river 投稿日時: 2011-7-24 1:16:04 (704 ヒット)



「物やお金が豊かになると心が貧しくなる」反対に「物やお金が無いと心が豊かになる」と昔から言われています。

そうだとすると日本にとって今はとっても『危険』な時です。 20世紀半ばからありとあらゆる物が豊富になり、それに従いお金が沢山手に入るようになりました。当然心は貧しくなっています。

 それでも松本で昨年の11月に『10台のコンサート』があった時、とても心温まる良い話がありました。それは、アメリカのケンタッキー州のルイビルから『10台のコンサート』に参加するため、両親と一緒に松本へやってきた5才の男の子ジョナサンです。彼は生まれてすぐ小児麻痺にかかり運動神経が正常でなくなって、5才なのに歩行器を使わないと立つ事も歩く事も出来ません。

ただ嬉しいことにとても具合の悪かった体が、ピアノのレッスンを始めてキラキラ星が弾けるようになったら病院のお医者さんが驚く程、体が回復してきました。そのため両親はピアノの練習に熱心で、日本までこのコンサートのために連れて来たのです。そしてジョナサンはお父さんとお母さんと3人でOさん宅にホームステイしました。

 Oさんの家には4才のK君がいます。二週間ジョナサンが泊まった間、二人は仲良く遊びました。4才のK君は優しく良い子なので二人はとてもうまく付き合えたようです。話すのに使う言葉はK君は日本語、ジョナサンは英語。それでも何の支障もなく話は通じたようです。

 子どもは言葉なんて問題ではないんですね。彼等は心と心で話し合っていたのです。アメリカ人のジョナサンは言葉の表現力があり「この家は日本中で一番素晴らしい家!」「K君はエンジェルだ!」と言いました。きっと体が不自由なので他の子どもにいじめられる事もあるのでしょう。

コンサートが済んでアメリカに帰る朝、ジョナサンは泣いて「帰らない! 僕はここにいる」とお母さんを困らせたようです。K君のお母さんも二週間お世話をしてジョナサンと心が通じていたのでしょう。泣いて別れたようです。

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