才能教育研究会ピアノ科




投稿者: river 投稿日時: 2010-10-14 3:36:46 (863 ヒット)


 聖徳太子は皆さんよく知っていますね。 日本歴史の年号等、学問的なことは別にして、ついこの間まで私達は聖徳太子と壱万円札で長い間親しく接してきました。

 その聖徳太子のことを、私は小学時代に歴史の授業で習いました。子ども心に驚いたのは「聖徳太子は特別優れた人で庶民が何か生活について訴える時、七人の話を同時に聞いた」というものでした。普通の人は一人の人が言う事でもなかなか理解して聞き取れないのに、どうして同時に七人の人の言うことが分かるのか? その時の私にはどう考えてもただ不思議でした。

 ところが何十年も過ぎてこの頃気が付いたのです。良いピアニストはまさに聖徳太子と同じ事をやっているではありませんか!

 ピアニストは、まず簡単な二声(ソロと伴奏)から始まって三声〜五声と演奏する時は同時に、いくつもの音、即ち声部を聴き分けなければいけません。そうです、まさにピアノを弾くことは聖徳太子がやった事と同じ事が出来る能力を作る勉強なのです!

 それはものすごく高度な集中する能力を作る勉強です。集中して同時に異なる音を聴き取る能力はとても難しい作業で、突然やろうと努力してもすぐに出来るものではありません。一人の子どもが最初にピアノを習い始めた時からこの勉強は始められなければ、その能力を作る事は出来ないでしょう。

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投稿者: river 投稿日時: 2010-9-10 3:04:10 (1161 ヒット)

人は、生まれた時から同じことの積み重ねを始めます。

 まず毎日生きるためにしなければいけない、寝たり起きたり、食べたりがそれです。ところが誰でも同じことの繰り返しをしなさいと命令されると「同じことを繰り返す? そんなバカなこと!」と思います。同じ単調なことを繰り返すなんてくだらない、退屈で死にそう、もうこんなつまらないことは止めてもっと難しい高級なことをやるんだ! と思います。


 それでもなぜ同じことを繰り返し積み重ねなければいけないのでしょう。

 それにはまず、人は頭で分かる事と体で出来る事が全く違うということを知っていなければいけません。私も子どもの時は『分かった!』と『出来る!』とは同じだと考え違いをしていました。それは母に同じことをしつこく注意されると「分かっているのにうるさい! どうしてそんなに同じこと言うの?」と考えたからです。

 大人になって世の中で生活してみるとそれは大間違いだったという事が良く分かりました。例えば、早起きをする事は良い事だ、怠けないで勉強する事も良い事だ等々、みんな分かっていてもなかなか簡単に出来るものではありません。

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投稿者: river 投稿日時: 2010-5-27 2:22:56 (1061 ヒット)

 何でもないこと、当たり前のことを、私達はつい見落として忘れてしまいます。それは当たり前の何でもない事だから、気にすることも思い悩む必要も全くないからです。

例は沢山あります。人が毎日吸って生きている空気だってあるのが当たり前、人が呼吸するのも、歩くのも走るのも食べるのも自然に体がやってくれるので、あまり考えてみていません。それより生活している中で起こる色々なこと、物やお金、高級で難しいことには興味をそそられます。

 これと同じようにピアノの弾き方でも聴き方でも、一番何でもないと思われる一つの音の鳴らし方について深く考える人はなかなかいません。一音に気を入れて、心や魂を込められる音楽の音をどうやって鳴らすかを考えてみなければいけません。そして、気を集中させてその音を聴く訓練を繰り返さなければ、正しく聴き取る事が出来ないのです。

 人は耳が聴こえますから、それは当たり前で当然聴いていると思って注意を払いません。 何でもない事を大切にしなければ何も本当の事は分からないのです。

 一つの音の鳴らし方には二種類の方法があります。それはスタッカートとレガートです。まずこの二つについて毎日よく考えて下さい。 聴いて下さい。

 ピアノを弾いて音がすればそれは当たり前で、それがピアノの音と何も疑わない人が大部分ですが、よく気を付けてみると本当に音にはいろいろ種類があります。

 ピアノから作られる音をまず大きく分けて、騒音(雑音)と音楽の音です。 前者は、物と物(鍵盤と指)がぶつかって出る音ですからショックの音で、人間に不愉快な感じを与える騒々しい音です。 音楽の音はショックがなく音が鳴った後、倍音が響いて美しく人の心に訴えるものです。

 次に一音でなく二つ以上の音を続けて弾く時、レガートがとても難しいと気が付いているでしょうか。レガートは一つ一つの指が柔らかく鍵盤の上をなめらかに進まなければいけません。

 それは丁度人が歩く時に使う足の裏のようにまず踵から地面につけ、次に足の裏で地面を柔らかく触り、指先で地面をつかむようにして後に押して歩くのとまったく同じ方法です。上手に出来るとレガートはとても静かで水が流れるように美しく弾けるのです。多くの人は音が並んでいれば、レガートだと思っています。何でもない事を研究してほしいものです。

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投稿者: river 投稿日時: 2010-4-30 20:31:38 (917 ヒット)


 お父さんへ‥‥住む所があって、食べさせてもらって、ピアノを習わせてもらっているだけで充分幸せです。(小5男)

 これは3月のこのピアノ科のニュースレターに載った「子どもの言い分」の中にあった一小学生の文章です。私は最初に原稿を見た時にとても驚きました。

 常日頃、今の子ども達は衣食住すべて恵まれ過ぎていて何も心や頭で考えない! と思っていたからです。 こんな素晴しい子どもをもったお父さんてすごく幸せな人! どこの誰だろうと調べてみました。
 そのM君のお父さんは、10年前運の悪い事故のために橋から落ちて首の骨を折り、車椅子の生活になられた方でした。K家は両親、男の子二人の四人家族です。 弟のN君がお母さんのお腹にいる時、不幸な事故が起こったのです。

 それでも気丈な御夫妻で、以前から経営していた会社を二人で続けられています。 お母さんは会社の仕事とお父さんの世話に追われ忙しいので、M君は小学校二年生の頃から食事を作ったり掃除など家の手伝いをしているそうです。 お父さんは手がコンピューターのキーを少し押せるぐらいで、手足はまったく使えない上に、身体は麻痺していて動けない状態です。

  これだけ話を聞いて私は涙が流れました。 この親にしてこの子です! それにお母さんの素晴しさです! 誰かがこのお母さんの実家のお父さんから聞いたことですが「この10年間我が娘ながら感心です。一度も『グチ』をこぼさないで頑張っています」との事。

 みんな日本中少したるんでしまったかな? という今、こんなすごい家族が松本にいるのです!!

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投稿者: river 投稿日時: 2010-3-31 3:11:37 (1138 ヒット)


可愛いペンギンの『ピングー』のビデオをお正月休みに見ました。孫の2才と3才の子ども達と飽きずに同じものを何回も何回も見てしまいました。知らない人はほとんど無いと思いますが、ピングーについて説明しましょう。

 ピングーは、クレイアート(粘土細工)で制作されたアニメーションです。ピングーは男の子のペンギンです。妹はピンガ、両親と一緒に南極に住んでいることになっています。ピングーの一番仲良しはアザラシのロビ君、その他のお友達やガールフレンド、年をとったおじいさん等々、家族やまわりの状況は私達の身の回りの人達と同じような構成です。そして毎日の生活の中の出来事が短いお話になっています。

 原作者のスイスのアーティスト、オットマー・グッドマン氏は「私の子どもの時代に本当にあったことで、日常の生活の中の出来事や経験をお話にしました」と言っています。

 そしてとてもユニークなのは言葉が、どこの国の言葉でもないペンギン語なのです。 私達にペンギン語は分からないはずなのに? それが不思議! 何を言っているのか全部分かるのです。

 そしてその上、画面のペンギンさん達やアザラシのロビ君などの気持ちや心が見ている人に温かく伝わってきます。 面白い事に2〜3才の子ども達にもしっかりストーリーが分かるのです。「今、こう言ったのよ」と説明してしまう子どももいます。 何回も見せてと頼みながら身につまされるのか「叱られてるのは、止めて」と言います。

 本当に楽しいクレイアートのアニメーションです。 まだ見ていない方は是非見て下さい。 大人だって本当に楽しいんです。

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